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飲食店向け|客単価はセット販売で上がる!すぐ実践できるメニューの組み方と心理テクニック

「原材料費の高騰で利益が圧迫されている」 「客数を増やすのには限界があるが、売上は伸ばしたい」

多くの飲食店経営者様が、今こうした悩みを抱えているのではないでしょうか?

集客(新規顧客の獲得)はコストも時間もかかりますが、「客単価アップ」は工夫次第で今日からでも着手でき、即効性が高い施策です。

その中でも最も強力かつ、お客様満足度を下げずに単価を上げる方法が「セット販売(バンドル販売)」です。

本記事では、ただ商品を並べるだけではない、行動経済学に基づいた「注文したくなるセットの組み方」と、利益を最大化するメニュー構成の極意を徹底解説します。

なぜ今、「単品」ではなく「セット」なのか?

まず、なぜセット販売が客単価アップの特効薬なのか、そのメリットを整理しましょう。

ここを理解することで、スタッフへの説明もしやすくなります。

1. 「お得感」で心理的ハードルを下げる

お客様は常に「損をしたくない」と考えています。

例えば、1,000円のラーメンと400円の餃子を別々に頼むと1,400円

「ちょっと高いな」と感じて餃子を我慢するお客様もいます。

しかし、これを「ラーメン・餃子セット 1,350円」と提示するとどうでしょう。

「50円お得ならセットにしよう」という心理が働き、結果として単品注文よりも高い金額を支払ってもらいやすくなります。

2. オペレーション効率が上がり、回転率も向上

セットメニューが出ることを見越して仕込みを行えば、調理手順が定型化され、提供スピードが上がります。

また、注文時のやり取り(「お飲み物は?」「以上でよろしいですか?」など)も短縮されるため、ホールの負担減と客席回転率の向上にも寄与します。

3. 売りたい商品(利益率の高い商品)へ誘導できる

これが最大のメリットです。

看板メニュー(集客商品)と、利益率の高いサイドメニュー(収益商品)を組み合わせることで、お店全体の原価率をコントロールすることが可能になります。

客単価を上げる「最強のセット」の組み方 3つの法則

では、具体的にどのようなセットを作ればよいのでしょうか?

適当に組み合わせるのではなく、心理学に基づいた「売れる型」があります。

法則1:松竹梅の法則(ゴルディロックス効果)

人は3つの選択肢を提示されると、極端なものを避けて「真ん中(竹)」を選びたくなる心理があります。これをメニューに応用します。

  • 松(高価格): 全部入りデラックスセット(例:ラーメン+チャーハン+餃子+デザート) 1,800円
  • 竹(中価格): 【一番売りたいセット】 定番満足セット(例:ラーメン+半チャーハン) 1,200円
  • 梅(低価格): 基本セット(例:ラーメン+小ライス) 950円

ここで重要なのは、「竹」を一番魅力的に見せることです。

「松」は比較対象としてのアンカー(いかり)の役割を果たし、「竹」を割安に見せる効果があります。

ポイント: これまで1種類しかセットがなかった場合、上位版を作るだけで、既存セットが「安く」見え、注文率が上がることがあります。

法則2:クロスセル(ついで買い)の強化

メイン料理が決まった後に、「あと一品」を提案するセットです。

  • ドリンクセット: +200円でドリンク付き
  • デザートセット: +300円でミニデザート付き
  • おつまみセット: アルコール注文の方限定、+300円で選べる小鉢2品

これらは「セット」としてメニューブックに明記するだけでなく、スタッフが注文を受ける際の一言(「ご一緒にドリンクセットはいかがですか?」)がカギとなります。

法則3:アンバンドリング(分解)からの再構築

既存の定食メニューなどを一度分解し、価値を再定義する方法です。

例えば、これまで「唐揚げ定食(唐揚げ・ご飯・味噌汁・漬物)」で900円だったとします。

これを以下のように再構築します。

  1. ベース: 唐揚げ単品 600円
  2. セットA: ご飯セット(ご飯・味噌汁) +350円
  3. セットB: 満腹セット(ご飯・味噌汁・ミニサラダ・小鉢) +550円

こうすることで、「糖質制限をしているから単品でいい」という層を取り込みつつ、ガッツリ食べたい層にはセットB(合計1,150円)を注文してもらうことで、結果的に客単価が上がります。

利益を残すためのメニュー構成・計算式

セット販売で売上が上がっても、利益が減っては意味がありません。

セットを作る際は、以下のFLコストを意識しましょう。

原価率のマジックを使う

「原価率が高い商品」と「原価率が低い商品」を抱き合わせます。

  • メイン(集客商品): こだわりのハンバーグ(原価率40%)
  • サイド(収益商品): スープ・サラダ・ポテト(原価率15%)

これらをセットにすることで、セット全体の原価率を30%程度に落ち着かせつつ、お客様には「豪華なセット」という満足感を提供できます。

特に、ポテト、スープ、炭水化物(パスタ・米)、粉ものは原価を抑えやすいため、セットの脇役として優秀です。

「セット割引」はいくらが正解?

「いくら引けばお得に見えるか」は悩みどころですが、一般的には単品合計額の5%〜10%オフ、または「端数切り捨て」程度で十分効果があります。

  • 悪い例: 単品合計1,500円 → セット1,000円(引きすぎ。利益圧迫)
  • 良い例: 単品合計1,500円 → セット1,380円(お得感あり、利益確保)

「○○円お得!」と金額を明記するポップを添えると、割引額が少なくても反応率は上がります。

注文率を激変させるメニューブックの「見せ方」

セットを作ったら、次は「どう見せるか」です。

メニューデザイン一つで、セットの注文率は大きく変わります。

1. 「Zの法則」を活用する

人の目線は左上から右下へ「Z」の字に動きます。

一番売りたい「イチオシのセット(竹)」を左上に配置しましょう。

一番目立つ場所に、一番自信のあるセットを写真付きで載せるのが鉄則です。

2. 写真は「セットの状態」で撮る

単品の写真だけを並べて「+○○円でセットになります」と文字だけで書いても、お客様は満腹時のイメージが湧きません。

お盆に乗った状態、あるいはメイン料理の横にドリンクとサラダが並んでいる「セット全体の写真」を掲載することで、脳が食事体験をシミュレーションし、「これが食べたい」という欲求を刺激します。

3. おすすめの理由を言語化する

ただ「Aセット」と書くのではなく、キャッチコピーを添えます。

  • 「迷ったらこれ!当店人気No.1の黄金コンビ」
  • 「野菜不足が気になる方へ。1日分の野菜が摂れるサラダセット」
  • 「午後も頑張るあなたへ。スタミナ満点セット」

お客様は「商品」そのものではなく、「それを食べた後のメリット」にお金を払います。

失敗しないための注意点

セット販売導入時に陥りがちな罠があります。

選択肢を増やしすぎない(決定回避の法則)

「Aセット、Bセット、Cセット…さらに選べるドリンクが20種類、選べる小鉢が10種類」 これではお客様は選ぶのに疲れてしまい、「もう単品でいいや(一番安いものでいいや)」となってしまいます。

セットの選択肢は3つ程度に絞り、カスタマイズ要素も複雑にしすぎないことが重要です。

安売り競争に巻き込まれない

「近隣店がランチセット800円だから、うちは750円にしよう」という考え方は危険です。

価格ではなく「付加価値」でセットを組みましょう。 「地元の新鮮野菜を使ったサラダが付く」「自家製のデザートが付く」など、他店にはない価値をセットに含めることで、価格競争から脱却できます。

まとめ:明日からできる「小さな一歩」

客単価を上げるためのセット販売は、大規模なメニュー改定をしなくても始められます。

  1. 現状の売れ筋を確認する(何と何が一緒に頼まれているか?)
  2. 「松竹梅」の構成を考える(上位セットを作れないか?)
  3. 手書きのPOPや差し込みメニューでテスト販売する

まずは、期間限定の「店長おすすめセット」として、A4用紙1枚のメニューから始めてみてください。

お客様の反応を見ながら、徐々にグランドメニューへ反映させていくのが、リスクの少ない賢いやり方です。

客単価が100円上がれば、月間1,000人の来店で利益が10万円変わります。

ぜひ、貴店だけの「最強のセット」を見つけてください。

-マーケティング部